(ブルームバーグ):ノーム米国土安全保障長官は27日、6月1日に実施されるポーランド大統領選の決選投票で、愛国主義的な野党候補への投票を市民に呼び掛けた。接戦となる中で選挙介入とも受け取れる動きだ。結果次第では、民主主義制度の再建を目指すポーランドの取り組みに影響を及ぼす可能性がある。
ノーム長官は初めて開催された保守派のイベント「CPACポーランド」で演説し、野党「法と正義(PiS)」の候補カロル・ナブロツキ氏が勝利すれば、米軍の駐留継続やトランプ米政権との緊密な関係が確保されると主張した。

ポーランド南東部ジェシュフで開かれたこの集会でノーム氏は「私はちょうどカロルと会った」とし、「彼はポーランドの次期大統領になるべき人物だ」と語った。
トランプ政権は今年に入り、欧州各国の選挙で愛国主義的な極右候補を後押しする動きに出ている。バンス米副大統領は、2月のドイツ総選挙直前にミュンヘンを訪問した際、ショルツ首相(当時)との接触を避ける一方、極右候補と会談。また、ロシアが関与しているとして大統領選を中止したルーマニアも厳しく批判した。
ノーム長官は、トゥスク首相率いる現政権が強化している国境管理と移民抑制策を高く評価する一方、与党候補のワルシャワ市長ラファウ・チャスコフスキ氏を「実にひどい指導者だ」と強く批判。「あなた方は、一人の大統領候補によって、こうした保護を全て失う恐れがある」と訴えた。
原題:Trump Homeland Chief Noem Backs Nationalist in Poland’s Election(抜粋)
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