4月の米新築住宅販売は市場の予想外に増加し、2022年2月以来の高水準となった。特に南部と中西部で急増した。住宅購入の負担感を和らげようとする建設業者の販売奨励策が後押しとなったもようだ。

今回の統計は、新築住宅市場が中古住宅市場よりも持ちこたえていることを示唆するものだ。建設業者に価格引き下げや販売奨励策を提供できる柔軟性があることがうかがえる。中古住宅販売は販売物件が増えているものの、低調な推移が続いている。

しかし、過去3カ月分のデータが下方修正されたことは楽観を後退させる。販売は活発化したものの、住宅在庫の減少にはあまりつながらなかった。

パンテオン・マクロエコノミクスの米国チーフエコノミスト、サミュエル・トムズ氏は「新築住宅販売の増加は純粋な需要増加というよりも、むしろ統計上の錯覚のようだ」とリポートで指摘。「新規住宅ローン金利が依然として非常に高いことを踏まえると、販売の下向きトレンドが今後数カ月に再開する可能性がなお高い」と続けた。

販売価格(中央値)は前年同月比2%低下し、40万7200ドル(約5810万円)。比較的低い価格帯で販売が活発だったことを反映している。前年同月比ベースでは、価格は過去12カ月にわたっておおむね下落傾向にある。

4月末時点で売りに出されていた物件は50万4000戸と小幅に減少したものの、2007年以来の高水準近くにとどまった。完成しているがまだ売れていない物件数もほぼ16年ぶりの高い水準で変わらず。

米最大の住宅建設地域である南部の販売は12%近く増加し、4年ぶりの高水準。中西部では35%余り増えたほか、西部でも小幅に伸びた。一方、北東部では減少した。

統計の詳細は表をご覧ください。

原題:US New-Home Sales Jump to Highest Since 2022 as Prices Fall(抜粋)

(統計の詳細を追加し、更新します)

--取材協力:Chris Middleton.

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.