米セントルイス連銀のムサレム総裁は、企業や消費者が近い将来の物価上昇を予想していると指摘し、金融当局は長期インフレ期待の安定維持に注力していると述べた。

ムサレム総裁は23日、「短期のインフレ期待が高まり、長期インフレ期待に影響を及ぼし得るほどの水準になるのを連邦準備制度理事会(FRB)は望んでいない」と述べた。アーカンソー州ベントンビルでのイベントでの発言。

そのような事態になれば「最大限の雇用と物価の安定というわれわれの目標達成が一層困難になるだろう」と語った。

パネル討論会で話すムサレム総裁(アーカンソー州ベントンビル、動画)

FRB当局者は今週、関税措置とその米経済への影響について明確な見通しを得るため、政策金利の調整に関してさらに数カ月、様子見姿勢を取る可能性を示唆した。

ムサレム総裁は「他の大半の指標は落ち着いているが、短期的なインフレ期待は上昇しており、長期インフレ期待の一部指標も上昇しつつある」と述べた。

向こう10年間、金利が新型コロナ禍前の水準に戻る可能性は低いとも指摘。「その可能性は恐らく、高くても20%程度だ」とし、「われわれは異なる経済を運営している」と述べた。

原題:Musalem Says Fed Must Contain Long-Term Inflation Expectations(抜粋)

--取材協力:Maria Paula Mijares Torres.

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