(ブルームバーグ):ベッセント米財務長官は23日、銀行の米国債取引に制約を与えてきた規則について、今夏にも当局が緩和する可能性があると述べた。
ベッセント氏は、いわゆる補完的レバレッジ比率(SLR)について、見直しに「非常に近づいている」とブルームバーグテレビジョンとのインタビューで発言。米連邦準備制度理事会(FRB)、通貨監督庁(OCC)、連邦預金保険公社(FDIC)がこの問題に取り組んでおり、「夏にかけて何らかの動きがある可能性がある」と述べた。
その上で、SLRが緩和されれば「米国の市民や機関による債券購入が増える可能性がある」とし、米国債の利回りが数十ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下するだろうとの見方を示した。
銀行の自己資本規制の一つであるSLRから国債が除外されれば、銀行は中核的自己資本比率に影響を与えずに、より多くの国債を購入できる。
新型コロナ禍の局面ではSLR規制は一時的に停止されていたが、その後、再び適用が再開された。ベッセント氏とパウエルFRB議長は、これまでにも同規則の見直しを支持する姿勢を示している。
米国債は下落が続いている。指標10年債利回りが4.5%を上回っているほか、30年債利回りも5%を超えている。
ベッセント氏は、市場の動向について「特に心配していない」とし、国債利回りの上昇は日英独などでも見られる「世界的な現象だ」と述べた。

同時に最近の米債利回りの上昇は米税制法案を巡る懸念によるものだとの見解を一蹴。「この法案は成長を生み出す」とし、「米債務の動向について心配していない。なぜなら成長の軌道が変わればその多くが解決するからだ。来年の今頃には(GDP成長率が)3%を超えているだろう」と語った。
さらに米国債に対する海外からの需要は依然として堅調だと指摘。自身がアクセスできるデータによれば、外貨準備運用当局や政府系ファンド(SWF)、年金基金など国家的な海外機関が最近の入札でより多くの米国債を購入していると明かした。
ドル安などの外為市場の動きについては、日独の経済政策に反応しているとし、「ドルが弱くなってるというよりも、他国の通貨が強くなっているということだと思う」との見解を示した。
原題:Bessent Sees Easing Capital Rule on Treasuries This Summer (2)(抜粋)
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