22日の欧州債券市場は、ツイスト・スティープ化が進んだ。日本と米国での国債利回りの急上昇を受け、長期債への需要の弱さに対する世界的な投資家の懸念が続いている。

ユーロ圏の総合購買担当者指数(PMI)が、市場予想を下回り49.5に低下したことで、欧州中央銀行(ECB)の利下げ期待が高まり、短期債が買われた。

短期金融市場は、ECBの年末までの利下げ幅の予想を、前日より3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)増の約53bpとみている。

英30年債利回りは、5.5%で取引を終え、4月に記録した1998年以来の最高水準である5.58%に近づいた。財政データで、4月の英国政府の借り入れが予想を上回ったことなどが影響したとみられる。

欧州株は、債券利回りの上昇に対する懸念から、リスク資産への投資家の意欲が抑制され、下落した。米国債利回りの上昇と失望的な決算が、貿易交渉の進展を受けて今月の欧州株式市場の回復を鈍化させている。

ストックス欧州600指数は、0.6%下落して取引を終えた。消費財と自動車が最大の下落率となった一方、生活用品や化学関連は堅調だった。

米下院共和党が、クリーン電力生産に対する税制優遇措置の終了を前倒しする新たな税制・支出法案を公表したことを受け、デンマークの風力発電大手オーステッドやベスタス・ウィンド・システムズなどの再生可能エネルギー関連株は下落した。

5月22日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)

原題:European Stocks Retreat on Yield Worries; Renewable Energy Drops、Bunds Twist-Steepen Amid Long Bond Jitters; End-of-Day Curves(抜粋)

--取材協力:Michael Msika、Sagarika Jaisinghani.

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