(ブルームバーグ):米大統領経済諮問委員会(CEA)のミラン委員長は、政府が密かにドル安誘導の国際的取り決めを画策しているとの見方を否定し、強いドルの利点を強調した。
「米国は強いドル政策を維持している」とミラン氏はブルームバーグのポッドキャスト「ビッグテイクDC」で言明。為替についてはベッセント財務長官が政府の見解を公式に表明する役割を担うと指摘した上で、国際的なドル安協定の臆測について「われわれがひそかに進めているという事実はない。まったく根拠のない話だ」と話した。
外国為替市場では数週間前から、ボラティリティー(変動性)が上昇しており、米国の貿易相手国が貿易不均衡を是正する措置の一つとして自国通貨を対ドルで押し上げることに同意する可能性が、市場では意識されている。トランプ米大統領はかねて、貿易相手国が対米通商を有利にするために意図的に為替レートを操作しているとの非難を繰り返してきた。
4月9日に高率の上乗せ関税が突然90日間停止され、交渉の余地が出てきて以来、アジアの通貨は特に大きく上昇。台湾ドルは10%近く値上がりしており、今月には1988年以来の大幅高を記録した日もあった。韓国ウォンは6.4%上昇。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は、トランプ氏が2度目の大統領就任を果たして以来、6%余り下げている。
ミラン氏は「通貨政策に変更はない」と述べた。同氏は貿易交渉に直接関与していない。
ミラン氏が昨年12月にホワイトハウス入りを打診されて以降、国際的なドル安協定の臆測が取り沙汰されている。同氏はヘッジファンドのハドソン・ベイ・キャピタルに在籍していた11月、ドル安誘導を目指す多国間取り決め「マールアラーゴ合意」の青写真といえる論文を発表している。
原題:White House’s Miran Says No Secret Currency Pact in Trade Talks(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.