(ブルームバーグ):世界最大の資産運用会社ブラックロックは、米国のモデルポートフォリオにおいて人工知能(AI)関連株への投資を拡大している。一方、関税を巡る不確実性のため、株式全体のリスクを縮小している。
ブラックロックは、アクティブ運用の上場投資信託(ETF)「iシェアーズAIイノベーション・アンド・テック・アクティブETF」(ティッカー:BAI)を通じて、株式の比重が高い同社のポートフォリオでAI関連銘柄へのエクスポージャーを拡大している。
BAIへの資金純流入額は20日に約4億3600万ドル(約625億円)と、1日としては昨年10月の設定以降で最大となった。同ETFの規模は4倍に拡大した。
今回のブラックロックの動きは、資産運用会社が株式市場全体へのエクスポージャーを最大限に引き上げることに慎重な一方で、テクノロジーが主導する時代の最大の勝ち組銘柄に注力していることを浮き彫りにしている。
BAIはエヌビディア、ブロードコム、メタ・プラットフォームズの大規模なポジションを保有。関税懸念による相場下落からリスク資産が回復する中、同ETFはここ1カ月で29%上昇している。
ブラックロックのターゲット・アロケーションETFモデルポートフォリオのリード・ポートフォリオマネジャー、マイケル・ゲイツ氏はリポートで、「テックは依然として当社のコンビクション(確信度)が最も高く、最も長期にわたりポートフォリオのオーバーウエートが続いている分野の一つであり、テック内ではAIが最もコンビクションが高い成長ドライバーだ」と指摘した。
ブラックロックはまた、最近のリスクオンラリー後、米国のモデルにおける株式へのエクスポージャーを縮小している。
この動きについてゲイツ氏は、貿易交渉を巡る不確実性への対応であり、「米国の例外主義への信頼性低下を反映したものではない」と説明した。

原題:BlackRock Adds to AI-Stocks Bet in $160 Billion Model Portfolios(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.