ディスカウント衣料品小売りの米TJXの幹部は、同社の世界的な仕入れネットワークと価格・商品構成の柔軟性により、関税の圧力に対応可能だと述べた。

「TJマックス」や「マーシャルズ」などのチェーンを運営するTJXは世界で2万1000社余りのベンダーと取引している。同社幹部によれば、商品の約10%を中国を含む世界各地から直接仕入れている。

アーニー・ハーマン最高経営責任者(CEO)はアナリストとの電話会議で、「当社の柔軟性の利点は、近いカテゴリーの商品に切り替えることで対応できることだ」と語った。

TJXの商品の一部は同社向けに製造されているが、大部分は百貨店のキャンセル商品や在庫処分、メーカーによる過剰生産など、さまざまな機会を活用して仕入れている。同社のウェブサイトによれば、定価販売店よりも最大60%安い価格でデザイナーズ商品などを販売している。

ハーマン氏は、従来型小売店との価格差を常に維持するようにしていると述べた。

市場予想を下回る5-7月(第2四半期)売上高見通しを示したことから、TJXの株価は21日に2.9%安で終了した。ジョン・クリンガー最高財務責任者(CFO)は電話会議で、5-7月期は同社にとって関税の「影響を最も受ける」時期だと述べた。

同社は通期の業績見通しを維持した。中国やその他の国に対する現行の関税率が年度内は変わらないことを前提としている。

バークレイズのアナリスト、エイドリアン・イー氏はリポートで、TJXを含むオフプライス業者は、商品の調達環境の改善や価格競争力による市場シェアの獲得、柔軟な運営モデルによる追い風を受けていると指摘した。

トランプ大統領の関税政策は、企業にとって不透明な経済状況をもたらし、消費者の購買意欲を鈍らせている。ウォルマートを含む従来型の小売業者は、関税の影響を受けている国々から商品を仕入れており、値上げの方針を示している。

原題:TJ Maxx Owner Says It Has the Flexibility to Offset Tariffs (1)(抜粋)

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