米連邦取引委員会(FTC)がメタ・プラットフォームズを相手取って起こした反トラスト法(独占禁止法)訴訟の審理で、同社傘下のメッセージアプリ「WhatsApp(ワッツアップ)」の共同創業者ブライアン・アクトン氏は、買収される前に、「フェイスブック」と競合するソーシャルネットワーキング機能を構築する計画はなかったと証言した。メタ側の主張を後押しする内容だった。

アクトン氏は20日、ワシントンの連邦裁判所で、「われわれには、フィードのようなフェイスブックに類似した機能、あるいはフェイスブック的な特徴を備えた機能を構築する意図はなかった」と証言。WhatsAppが独立を保っていれば、ターゲット広告の販売ではなくサブスクリプションビジネスを継続できた可能性があると述べた。

この裁判は6週目に入っている。FTCは、メタが10年余り前にWhatsAppとインスタグラムを買収したことで、ソーシャルネットワーク市場で違法な独占状態を築いたと主張し、メタの分割を求めている。これに対しメタ側は、動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」やアップルなど複数の企業との激しい競争にさらされており、FTCがそうした実態を十分に考慮していないと反論している。

メタによるWhatsApp買収は、今回の訴訟で重要な争点の一つとなっている。FTC側は、メタが2014年に190億ドル(現在のレートで約2兆7400億円)で買収する前から、WhatsAppを実質的な競合相手と認識していたと主張している。メタの当時の社名はフェイスブックだった。

WhatsAppは当時、ソーシャルネットワーキング機能を備えておらず、テキストメッセージのように個人間でやり取りを行うメッセージアプリだったが、その時期には複数の競合メッセージアプリがソーシャルネットワーキング分野に参入しつつあったとFTCは指摘。WhatsAppも同様の動きを見せるのではないかと懸念するメタ幹部の社内メッセージやメールの内容も提示している。

原題:WhatsApp Had No Plans to Vie With Facebook, Co-Founder Says (1)(抜粋)

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