半導体製造装置大手のアドバンテストの株式時価総額が初めて10兆円の大台を突破し、セクターを代表する東京エレクトロンを約20年ぶり逆転した。人工知能(AI)需要による業績成長を期待した買いが入っており、株式市場での評価は国内半導体関連株の中でトップとなった。

アドバンテストの時価総額は10日の終値ベースで10兆556億円と、東京エレク(9兆9750億円)を2006年3月以降で初めて上回った。昨年末との比較では4割超拡大している。

アドバンテスト株の年初来パフォーマンスは43%高と、東京エレクの13%安を圧倒。AI半導体で業界をリードする米エヌビディア向けシェアの高さが評価材料となってきたが、ここへきて「米ブロードコムの好調が鍵になっている」とニッセイアセットマネジメントの山本真以人チーフ・アナリストは言う。

山本氏は、ブロードコムが顧客とするアルファベットなど米ハイテク大手によるAI半導体の自社開発がアドバンテストの業績に追い風となるとの期待が高まっていると分析した。

半面、東京エレクは売上高に占めるAI向けの比率が比較的小さく、中国半導体メーカーの投資一服や自動車・産業向け半導体市場の低調などが株価の重しになっている。

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