暗号資産(仮想通貨)ビットコインが過去最高値近辺で推移する中、オプショントレーダーははるかに高い水準を視野に入れている。

暗号資産オプション取引所デリビットのデータによると、ビットコインのオプション取引で最も建玉が積み上がっている6月27日満期の中で、アウト・オブ・ザ・マネー(本質的価値がなく権利行使しても意味がない状態)に当たる権利行使価格30万ドルのコール(買う権利)オプションの建玉が2番目に多く、トップである権利行使価格11万ドルのコールの建玉に僅差に迫っている。

Open interest by strike price.

ビットコインは20日、前日からほぼ変わらずの10万6000ドル前後と、第2次トランプ政権が発足した1月20日に付けた最高値10万9241ドルまで3%弱と接近している。1月20日以降に約30%下落した後、ここ数週間は値を戻している。

暗号資産分析会社アンバーデータが集計したデータによれば、デリビットでの過去24時間の建玉の増加は、権利行使価格11万ドル以上のオプションに集中している。一方、同期間に最もヘッジ取引が行われたのは10万5000ドル前後だった。

こうしたオプショントレーダーの動向は、米国と主要貿易相手国の緊張緩和や、4 月の米インフレ率が市場予想を下回ったことが背景にある。

B2C2のシニア・クライアント・リレーションシップ・マネジャー、ニコライ・カルペンコ氏は「米中の関税を巡る予想外の緊張緩和を背景に、週の初めに市場のセンチメントが改善した」と指摘。上場投資信託(ETF)需要などを中心に「暗号資産への資金流入は健全な水準を維持している一方で、マクロトレーダーは利下げ期待だけを根拠に市場に再参入することには慎重な姿勢を見せている」と述べた。

原題:Bitcoin Options Traders Eye $300,000 With Record High In Sight(抜粋)

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