(ブルームバーグ):米ベンチャーキャピタル(VC)セコイア・キャピタルのマネジングパートナー、ロエロフ・ボタ氏が、米最大の暗号資産(仮想通貨)交換業者コインベース・グローバルへのハッカー攻撃で、個人情報を盗まれた。事情に詳しい関係者が明らかにした。著名な経営幹部が標的に含まれていたことが分かった。

関係者によれば、ボタ氏はコインベースの顧客で、電話番号や住所、コインベースのアカウント関連の詳細を含む個人情報が流出した。
コインベースは15日、ハッカー集団がインドのカスタマーサービス担当者に現金を渡し、顧客データにアクセスしていたと明らかにした。ブルームバーグ・ニュースの報道によると、漏えいした情報には氏名や生年月日、住所、国籍、政府発行のID番号、銀行データ、残高とアカウント作成時期に関する詳細が含まれていた。
コインベースによると、ハッカー集団は2000万ドル(約29億円)の身代金を要求したが、同社は応じなかった。今年1月から一部のカスタマーサービス担当者の不審な行動に気付いていたと同社はブルームバーグとのインタビューで認めた。
今回の情報流出は、ハッカー集団がどのような富裕層や有力者の情報に不正アクセスしようとしたかうかがわせる。ボタ氏は、オンライン決済サービス会社ペイパル・ホールディングスの元社員で構成し、ピーター・ティール氏やイーロン・マスク氏も加わる「ペイパル・マフィア」の一員だ。
コインベースとセコイア・キャピタルは、この件についてコメントを控えた。ボタ氏にもコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。
原題:Sequoia Capital Partner’s Data Hacked in Coinbase Breach (1)(抜粋)
--取材協力:Teresa Xie.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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