関税を巡る米中間の緊張緩和で各国・地域中央銀行に対する利下げ圧力が和らぐ中、キャリートレードが近い将来に再び活発化する可能性があると、バークレイズはみている。

エリック・マルチネス氏らアナリストは18日付のリポートで、同行はドル、ブラジル・レアル、コロンビア・ペソ、インド・ルピー、メキシコ・ペソを選好していると指摘。関税がピークに達し、ドルの下振れリスクが後退する状況下で、ユーロを利用したキャリートレードに注目しているという。

同行によると、金融当局は急ぐ必要はなく、データ重視の姿勢を維持できる。また、「世界経済は減速する可能性はあるが失速には至らない見通しで、こうした比較的安定した世界環境も、中銀が急いで緩和に動く必要性を低下させている」。

キャリートレードとは、低金利国の通貨で資金を借り入れて、高金利の国に投資する手法。新興国市場の投資家はリターンを高めるため活用するが、市場の変動性が高まる局面では巻き戻しが急速に進むリスクがある。

バークレイズは、変動性が昨年11月の米大統領選後から今年4月初めの関税発表前までの水準に落ち着くと予測しているが、各国・地域が中立金利に近づく中でキャリートレードの好機が続くとは限らないと警鐘を鳴らす。

「関税を巡る不確実性が依然として世界経済成長の重しになる可能性が高い」と指摘した。

原題:Carry Trade Window Opens on Easing Trade Tensions, Barclays Says(抜粋)

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