米消費者のセンチメントは5月に予想外に悪化し、過去2番目の低水準となった。関税を巡る懸念が高まる中、インフレ期待は数十年ぶりの高水準を記録した。

回答者の約4分の3が自主的に関税に言及しており、通商政策が依然として消費者の景気認識に強い影響を及ぼしていることが浮き彫りとなった。関税のテーマは党派を超えており、共和党支持者も相当数が言及した。

 

調査期間は4月22日-5月13日で、米国と中国が一時的に関税を相互に引き下げることで合意した直後に終了した。

ミシガン大の消費者調査ディレクター、ジョアン・シューは発表文で「一時的な関税停止によって通商政策が十分に安定し、消費者や企業は将来の計画を効果的に策定できるとの見方につながる可能性は低い」と述べた。

期待指数はほぼ1ポイント低下の46.5と、約45年ぶりの低水準。現況指数は2.2ポイント低下の57.6となった。

関税による物価高への懸念が広がっているが、直近の指標はインフレ圧力が限定的であることを示している。4月の米消費者物価指数(CPI)統計では、食品とエネルギーを除くコア指数の上昇率が3カ月連続で予想を下回った。

今回のミシガン大調査では、センチメントと実際の支出の間で乖離(かいり)も見られた。大型商品の購入環境を示す指標はわずかに改善。一方で、価格がさらに上昇した場合でも通常の支出を続けるとの回答は少数にとどまった。

現在の家計状況に対する見方は2009年以来の低さ。将来の家計見通しは過去最低を更新した。

共和党支持者のうち、約3分の2が自主的に関税について言及したが、全般的なセンチメントは民主党支持者や無党派層と比べるとなお高い水準にある。

統計の詳細は表をご覧ください。

原題:US Consumer Sentiment Falls Close to Record Low on Inflation(抜粋)

(詳細を追加して更新します)

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