欧州中央銀行(ECB)は6月の政策委員会会合で、基本シナリオに加えて世界貿易の混乱の影響を加味した複数の四半期経済見通しを発表する。ECBのチーフエコノミストを務めるレーン理事が16日、明らかにした。

米連邦準備制度主催の会議に出席したレーン氏は、そのような措置が正当化される場合もあると指摘。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)やロシアのウクライナ侵攻を例に挙げた。

「短期的に、米国の関税政策をめぐる不確実性が続いているため、6月のマクロ経済予測には代替シナリオも提示される」と、レーン氏は述べた。

 

ECBは6月の会合で、今サイクルで8回目となる利下げを行うことがほぼ確実視されている。インフレ率が2%の目標値に向かって低下していることもあるが、トランプ米大統領の関税を巡る懸念から、景気にも不安が生じている。

不確実性が極めて強い中でも、政策当局者は見通しを示そうとしている。ECB政策委員会メンバーでアイルランド中銀のマクルーフ総裁は今週、関税の脅威が短期で終わる場合、脅威が長期に及び中国など主要貿易相手国が影響を被る場合など、欧州経済の3つのシナリオを提示した。

レーン氏はまた、米連邦公開市場委員会(FOMC)が公表するドットプロット(金利予測分布図)をECBも導入すべきかに言及。これまでに見解を示したナーゲル独連銀総裁と同じく、反対を表明し、「将来の金利見通しに不要な期待を生みかねない」と警告した。

原題:ECB Will Include Trade Scenarios in June Projections, Lane Says(抜粋)

--取材協力:Libby Cherry.

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