欧州最大の銀行である英HSBCホールディングスは、資本市場部門と企業アドバイザリー部門を再編し、新部門を設置する。急成長するプライベートクレジット業界でのシェア拡大に向けた戦略の一環。

HSBCは16日の声明で、世界各地に分散しているファイナンス・投資銀行業務を一元管理する新部門として資本市場・アドバイザリーグループを立ち上げると説明。ブルームバーグ・ニュースによる先の報道を確認する内容だ。

法人・機関投資家向け銀行業務のマイケル・ロバーツ最高経営責任者(CEO)は、「これは将来を見据えたモデルだ。これにより顧客への最適なサービス提供や、今後の成長機会の最大化が可能になる」と述べた。

HSBCは、プライベートクレジット市場でのサービス強化を目指す金融機関の一つ。トランプ米政権の貿易政策が引き起こした混乱をきっかけにより安全な選択肢を求める借り手からの需要が増える中、1兆6000億ドル(約233兆5000億円)規模のプライベートクレジット市場に参入する動きが強まっている。より高い管理手数料を得られるのも魅力の一つだ。

競合の英銀スタンダードチャータードは15日、プライベート市場に特化したチームを新たに立ち上げ、バンカー25人程度を採用すると発表。同行はこの分野の運用資産が2029年までに20兆ドル近くに達すると見込んでいる。

HSBCの新体制では、債券資本市場、レバレッジドファイナンス、買収ファイナンス、プライベートクレジット事業を含むファイナンスソリューション部門が、コーポレートファイナンス部門や戦略アドバイザリー部門と並ぶ形で配置される。

新設される資本市場・アドバイザリーグループの責任者には、投資銀行部門の世界責任者アダム・バグショー氏が就く。

原題:HSBC Revamps Financing, Advisory to Help Private Credit Push (1)(抜粋)

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