(ブルームバーグ):米アトランタ連銀のボスティック総裁は、米国経済は今年減速するものの、景気後退には陥らない見通しだとして、年内に1回の利下げを予想する姿勢を改めて示した。14日のブルームバーグのポッドキャスト「オッド・ロッツ」でのインタビューで発言した。
ボスティック氏は、不確実性や先行きへの懸念が消費者心理を圧迫するため、今年の経済成長率は0.5-1%程度になるとの見通しを示した。また、貿易政策の変動が、企業が重要な決定をためらう要因になっていると指摘した。
同氏は「今年1回の利下げを見込んでいる。その一因は、不確実性が急速に解消される可能性は低いと考えているためだ」と語った。
ボスティック氏は、トランプ米大統領の上乗せ関税の施行が90日延期されたことや、米中の貿易摩擦が一時緩和していることに触れ、交渉の最終結果はまだ不明確なことを強調した。米中間が互いに関税を一定期間引き下げることで合意したことが、自身の見通しを変えたかを尋ねられ、ボスティック氏は「少し」と答えた。
ボスティック氏は先週、先行きが不透明な状況で、金融政策を調整することは「賢明ではない」と述べていた。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は6、7日に開催した定例会合で、主要政策金利を据え置くことを決定し、失業率とインフレ率の両方が上昇するリスクが高まっているとの見解を示した。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、中央銀行は利下げを急ぐつもりはないことの考えを明らかにした。
ボスティック氏によると、アトランタ連銀のエコノミストらは、他の専門家同様、関税がインフレ圧力を高めるとみている。ボスティック氏は「つまり、私たちの政策は、インフレ圧力を予測し、ある程度それに対抗する措置を講じる必要がある。そうすることで、現在の政策スタンスの上限を形成することになるだろう」と述べた。
原題:Fed’s Bostic Says He Sees One Rate Cut This Year, No Recession(抜粋)
--取材協力:Joe Weisenthal、Tracy Alloway.
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