(ブルームバーグ):5月3週(19-23日)の日本株は軟調な展開が見込まれる。為替の円高が警戒され、外需関連株を中心に相場の下げ圧力になる。
20日からカナダで主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が開催される。加藤勝信財務相はベッセント米財務長官との2国間協議の場を設けたい意向を示しており、米国が求める円安是正について協議するとの観測から為替のドル安・円高が進めば、外需銘柄を中心に売りが広がりそうだ。
経済指標は、23日に総務省が4月の全国消費者物価指数(CPI)を発表する。生鮮食品を除くコアCPIの市場予想は前年同月比3.5%上昇と、5カ月連続で3%台となる見込み。米国と中国の貿易摩擦への懸念が和らぐ中、国内物価の上振れは日本銀行による年内の追加利上げ観測を通じて円高・株安圧力になり得る。
日銀関連では22日に野口旭審議委員が宮崎県金融経済懇談会で講演と記者会見を行う。
海外では、中国国家統計局が19日に4月の工業生産と小売売上高を公表する。20日には中国人民銀行(中央銀行)がローンプライムレート(LPR)1年物と5年物を発表する。
5月2週の東証株価指数(TOPIX)は0.3%高と5週続伸。週前半に米中の通商交渉進展を好感した買いが進んだ。その後は高値警戒感が出て伸び悩んだ。

《市場関係者の見方》
T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジスト
やや軟調だろう。4月は値上げが相次いだため、CPIは上振れやすく、円高が株価の重しになる。日銀の野口審議委員はハト派と目されており、講演による相場への影響は限定的とみるが、万が一タカ派の発言があれば金利高、円高要因になる。
フィリップ証券の笹木和弘リサーチ部長
為替が重しになり下方向を見ている。日米関税交渉などを材料に円相場は月末にかけて1ドル=140円を試す局面があってもおかしくなく、半導体関連株などに売りが出そうだ。CPIを受けて物価上昇に実質消費が追いついていないことが意識される可能性があり、消費関連銘柄にネガティブになり得る。
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.