(ブルームバーグ):5月第3週(19-23日)の債券市場では長期金利に上昇圧力がかかり続けそうだ。日本銀行の利上げ観測が復活していることが相場の重しになる。日銀が開く債券市場参加者会合と4月の消費者物価指数(CPI)が注目で、結果次第で長期金利はトランプ関税発動前の1.5%に上昇する可能性がある。
市場参加者の見方
◎アクサ・インベストメント・マネージャーズの木村龍太郎シニア債券ストラテジスト
- 債券市場参加者会合後に日銀の国債買い入れ減額ペースの加速を求める声が伝わってくれば、長期金利は1.5%が見えてくる
- 米中の関税率引き下げ合意により貿易戦争に融和ムードが出ており、日銀の年内の利上げも意識される
- 超長期債は需給が崩れており、日銀が6月の中間評価で超長期債の減額ペースを抑制しなければ投資家の悲観ムードは変わらないだろう
- 新発10年国債利回りの予想レンジは1.43-1.53%
◎ソニーフィナンシャルグループの宮嶋貴之シニアエコノミスト
- 年度初めの4月のCPIでサービス価格上昇が確認されれば、長期金利は1.5%を超えてくる可能性がある
- 1-3月期の実質国内総生産(GDP)はマイナス成長になったが、GDPデフレーターは3.3%上昇と9四半期連続で日銀の物価目標である2%を超えており、ホームメードインフレが強まっている
- よほど景気が悪化しなければ次の一手が利下げになることはなく、米関税政策を巡る霧が晴れれば日銀の利上げ再開が十分考えられる
- 新発10年国債利回りの予想レンジは1.42-1.51%
国債入札
日銀買い入れ
主な材料
- 20日:日銀の債券市場参加者会合(銀行等グループ、証券等グループ)
- 20日:カナダで主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議(-23日)
- 21日:日銀の債券市場参加者会合(バイサイドグループ)
- 22日:日銀の野口審議委員が講演、記者会見
- 23日:4月の全国CPI
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