(ブルームバーグ):今年初めに在宅勤務の問題点を巡る発言で注目を集めた米銀JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は15日、当時感情的になったことを認めつつも、従業員をオフィスに回帰させる方針を改めて正当化した。
ダイモン氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、2月にオハイオ州コロンバスで開かれたタウンホール討論会での発言について振り返り、「少し感情的になっていた」と述べた。
当時、同行のオフィス復帰方針に反対する従業員のオンライン署名活動を巡る質問を受けたダイモン氏は、いら立ちをあらわにし、口汚い言葉も交えながら何人署名しようが関係ないと言い放っていた。
15日にパリで開催されたJPモルガン主催の年次グローバル・マーケッツ・カンファレンスで同氏は、あの質問は正当なものだったと認めた上で、「若手や経営側、イノベーションにとって不向きな理由について、非常に詳細に説明した」と述べた。
その上で、毎日オフィスに行きたくないという従業員の権利を完全に尊重するが、「JPモルガンに何をすべきか指示する権利はない」と付け加えた。

ダイモン氏によると、現在も全体の約10%の職務が在宅で行われている。出社義務化後に離職が増えてはいないが、一部の部門で座席不足のため多少変更を加えたという。
JPモルガンは今年初め、週5日の出社を全従業員に義務づけ、数千人の従業員を対象に在宅と組み合わせるハイブリッド勤務の選択肢を終了した。これは2023年4月に導入したマネジングディレクターの週5日出社ルールを全社規模に拡大したものだった。
2月のタウンホールでは、ハイブリッド勤務によって効率性や創造性が損なわれているとし、若手が取り残されるといった課題にも触れていた。15日の発言でも、こうした見解を繰り返した。
「長い目で見れば、行員たちはより満足するようになると思う。若手は正しいやり方を学ばなければならないし、現場で見て学ぶ徒弟制度のようなものであり、地下室で働いていては身につかない」と語った。
原題:JPMorgan’s Dimon on Work-From-Home Rant: I Emoted a Little Bit(抜粋)
--取材協力:Francine Lacqua.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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