(ブルームバーグ):暗号資産(仮想通貨)交換業者クラーケンの1-3月(第1四半期)決算は増収増益となった。デジタル資産市場のボラティリティー(変動性)が高まる中でも好業績を上げた。
クラーケン(正式名ペイワード)の1日の発表文によれば、調整後EBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益)は前年同期比17%増の1億8740万ドル(約270億円)となった。総収入は同19%増の4億7170万ドル。前四半期比では7%減収で、調整後利益は1%増だった。
多くの主要仮想通貨は同業界に好意的なトランプ大統領の政策への期待から当初急伸したものの、最終的には下げて第1四半期を終えた。
ブルームバーグは3月、クラーケンが早ければ来年第1四半期の新規株式公開(IPO)を目指して準備中だと報じた。同社は以前から上場を望んでいると表明してきたが、近く上場する計画だとは明言しておらず、時期の目安も示していない。
トランプ氏の上乗せ関税発表以来、IPO市場の環境は悪化しているが、アルジュン・セティ共同最高経営責任者(CEO)は、クラーケンへの影響はないと発言。
「顧客と共に成長できるよう常に準備を整えておきたい。資本市場の活用が顧客のためになるなら実行する。市場環境に左右されず、われわれが望む時期に上場できるだろう」とインタビューで語った。
同社はこのほど、先物取引プラットフォームのニンジャトレーダーの買収を完了した。これにより、従来型のデリバティブ(金融派生商品)市場へのアクセスを仮想通貨トレーダーに提供する。また、証券会社アルパカとの提携を通じ、米国株と上場投資信託(ETF)の取引にも進出した。
「顧客は今後、あらゆる資産をどこからでも取引できるようになるだろう」とセティ氏は語った。
原題:IPO-Candidate Kraken Says Revenue Jumped 19% in First Quarter(抜粋)
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