4月の米製造業活動は縮小し、指数は5カ月ぶりの低水準となった。米供給管理協会(ISM)が1日発表した。低水準の受注残と関税の影響が重なり、2020年以来で最も深刻な生産縮小を引き起こした。

生産指数は4ポイント余り下げて44。仕入れ価格指数はわずかに上昇した。

今回のデータは、米製造業が勢いを欠いている現状を浮き彫りにしている。関税や通商政策の不透明感が製造業の活動拡大を妨げている。需要の低迷を反映し、新規受注は3カ月連続で縮小圏にとどまり、受注残はより速いペースで縮小した。

上段左:総合計強指数、上段右:生産指数、下段左:新規受注指数、下段右:雇用指数

業種別では11業種が拡大。アパレルや石油、プラスチック・ゴムが主導した。一方、6業種が縮小した。

関税前の「駆け込み輸入」の効果が終わりに近づいている兆候も示した。輸入指数は2023年末以来の急速な低下となった。

需要の鈍化に加えて、生産者はコスト上昇にも直面している。エネルギー価格が下がっているにもかかわらず、仕入れ価格指数は2022年6月以来の高水準に達した。

動画:Mike McKee 記者がISM指数についてリポート

ISM製造業調査委員会のティモシー・フィオレ会長は「需要と生産が後退し、企業は不透明な経済環境に対応して人員削減を続けている」と発表文で指摘。「関税によって価格上昇がわずかに加速し、それが新規受注の滞留や納期の遅延、在庫の増加を招いている」と述べた。

弱い受注や生産の鈍化、受注残の減少が続く中、製造業の雇用も3カ月連続で縮小した。

一方、生産者は在庫を抑制しており、在庫指数は50.8に低下した。

統計の詳細は表をご覧ください。

原題:US Manufacturing Activity Shrinks by the Most Since November(抜粋)

(チャートなどを加え、更新します)

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