メルセデス・ベンツグループは、トランプ米大統領による関税措置への対応として、米国で生産する車種を増やすことを計画している。

同社は発表文で、「中核セグメント車両」の組み立てを2027年までにアラバマ州タスカルーサ工場に移す方針を示した。対象となる車種は明らかにしていない。

このセグメントでメルセデスが米国に輸入している車種の中で最も人気が高いのは、スポーツ多目的車(SUV)の「GLC」で、2024年の販売台数は前年比58%増の6万4163台だった。同社は4月、関税によるコスト増を理由に一部生産の移転を検討していると明らかにしていた。

トランプ大統領は今週、自動車業界に影響を及ぼしている関税の負担を軽減する大統領令に署名。ただ、基本的な25%の関税は維持されており、業界への負担は続いている。米ゼネラル・モーターズ(GM)は1日、自動車関税により、最大50億ドル(約7200億円)の影響を受ける可能性があるとして、通期利益見通しを下方修正した。

ブルームバーグは先月、関税の影響で収益性が見込めないとしてメルセデスが低価格モデルの米国市場撤退を検討していると報じていた。

同社によると、タスカルーサ工場では2024年に「GLE」や「GLS」など約26万台を生産。電気自動車(EV)の「EQE」や「EQS」といったグローバル市場向け車両の生産も手がけている。

メルセデスは発表文の中で、米国では1万1000人超を雇用し、約400社のサプライヤーと連携していると説明。メルセデス、米国における事業基盤の強さを強調した。

原題:Mercedes Will Move Output of Key Model to US to Counter Tariffs(抜粋)

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