(ブルームバーグ):1日の東京外国為替市場の円相場は対ドルの下落率が1%に達した。日本銀行の植田和男総裁が定例会見で各国の通商政策を巡る不確実性は極めて高いなどと発言し、円売りが強まった。
円は対ドルで一時ニューヨーク終値比1.1%安の144円63銭まで下落した。日銀が公表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)では、基調的な物価上昇率が物価安定目標とおおむね整合的な水準で推移する時期を2025-27年度の「見通し期間後半」とした。前回1月リポートでは24-26年度の「見通し期間後半」としており、1年程度先送りしたことで利上げ後ずれ観測が高まっている。
三菱UFJ銀行グローバルマーケットリサーチの井野鉄兵チーフアナリストは、予想していたよりもはっきりと物価目標実現時期の後ずれを示した格好だと指摘。「全体的に前回までの利上げに向けた勢いの強さが消えている印象だ」とし、1ドル=145円が視野に入る展開を予想する。

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