28日の債券相場は上昇。リスク選好の流れで先物の売りが先行した後、前週末の米長期金利低下を好感した買いが優勢になった。

三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、「米国債市場が落ち着きを取り戻してきており、円債の買い安心感にもつながる」と指摘した。

25日の米10年国債利回りは前日比8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低い4.24%程度と8日以来の低水準となり、28日の時間外取引でも安定推移している。

一方、SMBC日興証券の田未来シニア金利ストラテジストは、中国政府からの政策方針の発表が警戒されていると話す。「対米関税について再び強硬姿勢が示される可能性もあり、市場は身構えている」ため、一方向にポジションを傾けづらいとの見方を示した。

先週末以降、日本銀行が今週の金融政策決定会合で政策金利を据え置くとの報道が続いている。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場で5月1日の利上げ確率はゼロ%に近く、今月初旬時点では確実視されていた年内の利上げの可能性も7割程度に低下している。

三井住友トラストの稲留氏は、今回の日銀会合は「ライブではない」と指摘。経済・物価情勢の展望(展望リポート)で成長率やインフレ率の見通しの下方修正が予想されていることについては、「関税の影響次第で仮置きのような印象で、これでポジションを動かす感じではない」と述べた。

 

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