ドイツ短期国債が22日、急騰している。トランプ米大統領が連邦準備制度理事会(FRB)に再び利下げを求める中、投資家は欧州に逃避先を求めている。

ドイツ2年債利回りは22日午前、6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し1.62%と、2022年以来の低水準となった。21日に投資家が米国債を売り、欧州債が広く買われたためだ。

ユーロ圏の債券はここ数週間、世界市場が不安定さを増す中で、投資家の避難場所として浮上している。トランプ氏が世界の貿易を抜本的に変えるとして関税を導入したり、パウエルFRB議長に利下げを迫ったりしていることで、米国資産への信頼は揺らいでいる。

ノースライト・アセット・マネジメントのクリス・ザッカレリ最高投資責任者(CIO)氏は、欧州投資家がハイテク大手7社「マグニフィセント・セブン」や米国債、米社債といった米国への投資の一部を本国へ戻していると指摘し、「関税やその他の反グローバリズム政策が真剣に議論される限り、この傾向は続くとみている」と述べた。

欧州中央銀行(ECB)による追加利下げの恩恵を受けられるため、ドイツ短期債は特に魅力的だ。粘り強いインフレが米国の金融緩和の妨げとなっている一方、ECBは先週、現在の利下げ局面では7回目のとなる利下げを行った上、さらなる利下げの観測が強まっている。

短期金融市場は22日、ECBの年末までの利下げ幅の予想を、18日終値時点より5bp多い70bp強とした。政策委員会メンバーのカザークス・ラトビア中銀総裁を含めた政策立案者らは、米国の関税が不確実性をあおり、ユーロ圏の景気後退リスクを高めていると警告している。

原題:German Two-Year Bonds Rally as Buyers Look for Haven in Europe(抜粋)

(最終段落の日付を訂正します)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.