(ブルームバーグ):米中の貿易戦争激化を背景に、中国の米国産液化天然ガス(LNG)輸入が3月にゼロになった。1-2月も急減しており、第1四半期(1-3月)の輸入量は前年比で70%落ち込んだ。中国税関総署が20日にデータを公表した。
中国が米国からのLNG輸入を完全に停止したのは、第1次トランプ政権時代の貿易戦争以来で、当時は約400日間にわたり輸入が途絶えた。
今回も米中による関税の応酬で、中国はすべての米国製品に対して125%の関税を発動。LNGの輸入先をインドネシアやカタールに切り替えており、世界最大級のLNG輸出国と輸入国の分断が進んでいる。
中国のLNG輸入量は5カ月連続で前年を下回り、3月の輸入は前年同月比で24.5%減と、2022年11月以来の大幅な落ち込みとなった。一方、ロシアなどからのパイプライン経由の天然ガス輸入は1-3月にやや増加したが、海上輸送分に比べると依然として少ない。
ブルームバーグNEFのアナリスト、ダニエラ・リー氏によると、中国はエネルギー安全保障確保の観点から、スポット市場でのLNG購入を避け、石炭や再生可能エネルギーへの依存を強めている。今年の中国のガス消費量は極めて低い伸びにとどまり、関税が向こう半年にわたり100%を超える水準で維持されれば、LNG輸入は前年比で最大12%減少する可能性があると同氏は予想している。
原題:China Stops Imports of US LNG Amid Trade War, Custom Data Shows(抜粋)
--取材協力:Atul Prakash.
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