イランがペルシャ湾周辺の攻撃に使ってきたドローン(無人機)「シャヘド136」は、米国とイスラエルによる空爆で追加生産能力が制限されている。ただ在庫は残っており、複雑な部品を必要とせず増産可能な状況にある。

ブルームバーグの推計によると、これまでに2100機超のシャヘドが発射され、石油インフラに損害を与え、空港を閉鎖に追い込み、高コストな軍事装備を破壊してきた。飛行速度は遅く発見も比較的容易だが、その圧倒的な数が迎撃ミサイルの在庫を消耗させている。

米国とイスラエルはドローン生産施設を空爆の優先目標としている。ある欧州高官によれば、イランはドローンの追加生産能力が制限されているが、それは資材不足が理由ではなく、攻撃によって大規模生産に必要な組織運営や調整機能が混乱しているためだという。

これらドローンは基本的に、ガラス繊維製の機体にエンジンと簡易な誘導装置、爆発物を組み合わせた構造にすぎない。そのため、高速艇の修理施設でも製造が可能だと、イランのドローン製造に詳しい関係者は述べた。

英王立防衛安全保障研究所(RUSI)の上級研究員、シド・カウシャル氏はイエメンの親イラン武装組織を念頭に、「フーシ派が空爆下でも無人機を生産してきたことを踏まえれば、イランも可能だろう」と指摘。「ただし、生産施設を分散させ、仮設工場を使わざるを得ないため、同じペースではいかない」と語った。

RUSIの別のアナリストで地上戦専門家のボブ・タラスト氏は、イランは高強度の空爆を受けることをほぼ確実に想定しており、それに応じて生産施設を地下に設置するなどの計画を進めてきたと述べた。さらに、1回の攻撃で最低でも20機のシャヘドを発射し続けられれば、目標への効果的な攻撃が可能になるとの見方を示した。

開戦前、イランは最大約2500発の弾道ミサイルを保有していたとみられ、これまでに約700発を発射した。多数のミサイルや発射装置が破壊されたことで、運用にも制約が生じている。弾道ミサイルはシャヘドよりはるかに複雑で、高度な製造技術や資材を必要とするため、現在の生産ペースはほぼゼロに近い可能性が高いと、イラン情勢に詳しい関係者は述べた。

英海軍は10日、ホルムズ海峡とペルシャ湾で商船3隻が攻撃を受けたと明らかにした。どの兵器が使用されたかは不明だという。

米軍とイスラエル軍によるイラン攻撃と、中東各地を標的とする報復が拡大する状況で、エネルギー輸送の要衝、ホルムズ海峡は実質的な封鎖状態が続いている。

原題:Iran’s Production of Shahed Missiles Slowed But Not Halted (1)(抜粋)

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