欧州連合(EU)のコスタ大統領(欧州理事会の常任議長)によると、EUが間もなく発表するロシア産化石燃料の段階的な輸入停止に向けたロードマップは、米国からの液化天然ガス(LNG)の調達を増やすよう企業に促すシグナルになる見通しだ。

EUは5月6日にロシアからのエネルギー輸入を段階的に打ち切る計画を発表する予定だ。2022年のウクライナ侵攻後、ロシアは欧州への天然ガス輸出を急激に縮小し、域内では燃料・電力価格の異常な上昇が発生していた。

EUのコスタ大統領

EUのガス供給全体に占めるロシアの割合は昨年で19%前後と、侵攻前の40%強から縮小。今後も引き続きロシアからの輸入を減らしていくと、コスタ氏はハンブルクでのブルームバーグ・ニュースとのインタビューで語った。

その上で、「これにより市場に他の供給国から輸入する余地が生まれ、米国にとって新たな好機となる」と指摘した。

EUは米国との貿易摩擦の解消に向けたディール(取引)の可能性を模索している。トランプ米大統領はEUに対し、関税を回避したければ米国産エネルギー製品の輸入を増やすよう繰り返し求めている。

米国は現時点で、EUにとって3位の天然ガス供給国。

EUの執行機関である欧州委員会が策定中のロードマップは、欧州企業にロシアとの長期契約を解除するための手段を提供することが狙い。ブルームバーグ・ニュースは、欧州委が割当枠や関税などの貿易措置をEUレベルで活用するよう推奨することを検討していると報じていた。

原題:EU’s Costa Says Russian LNG Phase-Out Makes Room for US Supplies(抜粋)

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