(ブルームバーグ):米銀大手のゴールドマン・サックス・グループとウェルズ・ファーゴは15日、合計140億ドル(約2兆円)の米投資適格債の起債を実施した。前日にはモルガン・スタンレーとJPモルガン・チェースが同額を調達している。
事情に詳しい複数の関係者によると、ウェルズ・ファーゴは4本立てで計80億ドル、ゴールドマンは3本建てで計60億ドルの起債をそれぞれ実施。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)も30億ドル規模で起債した。
関係者によれば、ウェルズの起債で年限が最長の11年債は、米国債に対する上乗せ利回り(スプレッド)が1.28ポイント。ゴールドマンの債券で年限最長の6年債のスプレッドは1.25ポイントだった。
米銀大手が四半期決算発表後すぐに起債することは多いが、世界的な貿易戦争の拡大を受けて月初から債券発行市場の動きが冷え込んでいたため、今回の銀行の起債には疑問の声も上がっていた。
ブルームバーグのブライアン・スミス氏によると、15日の起債では発行額の3.3倍の注文があった。14日の起債では3.8倍だった。
調査会社クレジットサイツのアナリスト、ピーター・サイモン氏は「銀行の大規模な起債に対して明らかに需要がある」と述べ、銀行に対する過度な懸念が市場にあまり見られないのは「四半期業績が堅調なことを考えれば理にかなっている」と指摘した。
高格付け債市場ではここ数週間、銀行債が低調なパフォーマンスとなっており、銀行債の平均スプレッドは月初来で14日までに24ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)拡大。投資適格債券全体よりスプレッドは開いた。
ボヤ・インベストメント・マネジメントのポートフォリオマネジャー、サミュエル・ウィルソン氏は、スプレッド拡大で利回りを追求する投資家が市場に引き寄せられ、銀行の起債をうまく消化する状況が整ったと分析した。

原題:Goldman, Wells Fargo Lead $17 Billion Bank Borrowing Spree (3)(抜粋)
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