(ブルームバーグ):カナダ株に特化した上場投資信託(ETF)への資金流入が先週、4年ぶりの規模に膨らんだ。通商摩擦を背景にカナダの投資家が米国株を敬遠し自国株投資を進めている。
ブルームバーグのデータによると、カナダ株に主に投資するETFの純流入額は4月7日から11日までの間に25億カナダドル(約2580億円)に達し、2021年5月以来の高水準となった。これに先立ちトランプ米大統領は2日、広範に及ぶ関税措置を発表していた。
カナダを巡っては、この関税の対象からは外されたものの、自動車、鉄鋼、アルミニウムのほか、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に準拠していない製品が課税対象となっている。
カナダの投資家は米国株に偏重する傾向があるが、市場の不確実性や通商摩擦を背景にその保有を減らそうとしている。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のETFアナリスト、アタナシオス・プサロファギス氏はカナダ株への関心の高まりについて、愛国心によるものと押し目買いとが混在していると分析。「カナダの投資家は、米国にうんざりしている。『今起きていることを考えたら米国株は買わない。それよりもただカナダ株を買う』といった感じだ」話した。
こうした潮流は、農産物から年金投資までさまざまな分野でカナダのものを求める「バイ・カナダ」の動きの一つと言える。
IGウェルスマネジメントのチーフ・インベストメント・ストラテジスト、フィリップ・ペターソン氏は「米国のポジションは全て売ってしまいたいと言う顧客が大勢いる」と指摘。同社はそうした投資判断を勧めていないものの、「顧客たちは世界の他の地域に機会を見いだし始めている」などと指摘した。

原題:‘Buy Canada’ Extends to Equity ETFs With Biggest Flow Since 2021(抜粋)
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