工業用品や建設資材を販売する米ファステナルは、トランプ米政権の関税政策に対応するため製品価格を引き上げた。一時停止中の関税が今後発効されれば、さらに値上げする可能性もある。

ダニエル・フローネス最高経営責任者(CEO)は11日の決算説明会で、うまくやりくりできるような方法はないと語り、中国製品と鉄鋼製品への関税コストを顧客に転嫁しなければならない理由を説明した。

ホールデン・ルイス最高財務責任者(CFO)は、今月に第一弾の値上げを実施した後、「段階的な価格設定」で関税に対応すると述べた。

同氏は、値上げが4-6月(第2四半期)の成長に3-4%寄与し、下期にはさらに寄与率が高まる可能性があるとの見通しを示した。

1-3月(第1四半期)決算がアナリストの予想とほぼ一致したのを受け、ファステナルの株価は11日に一時7.3%上昇。同社の留め具は通常、新しい機器の製造に使用されるため、基調的な工業生産動向の指標となっている。

同社は長期的な目標としてサプライチェーンの多様化を掲げているが、調達先をアジアからシフトすることは容易ではないとフローネス氏は語った。アジアの製造業者は規模のメリットで、より迅速に低コストで生産できるという。

「われわれのニーズを満たす規模の製造能力は、北米では見つけられていない」と同氏は付け加えた。

原題:Fastenal Raises Prices and Won’t Rule Out Further Hikes(抜粋)

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