先週のアジア株式相場は過去最大の下げと1日として2008年以来最も大幅な上昇の両方を記録した。

域内の投資家は週末も休まず働き、睡眠時間を削り、出張を一時取りやめているほか、ソーシャルメディアにじっくり目を通し、短期取引に集中している。地球上で最も遠い場所にいる人物がいつ何時、市場に再び大混乱を招く事態を警戒している。

アジアの金融プロたちが神経質になっているのも無理はない。株式の変動性が大きかったほか、日本国債利回りで記録的な上昇が見られた。中国人民元は2007年以来の安値を記録し、インドネシア・ルピアは過去最安値を更新。4日にはオーストラリア・ドルが世界金融危機以来、1日として最大の下げを記録していた。

これらはいずれもトランプ米大統領の貿易政策決定と、それに対するアジア太平洋各国政府の対応に関連しており、域内市場に大きな混乱をもたらしている要因だ。

週明け14日の取引開始時に真っ先に反応することになるのは為替トレーダーだろう。米ドルは主要通貨に対しほぼ全面安の展開となっていた。

 

みずほ銀行の経済・戦略責任者ビシュヌ・バラサン氏はこの1週間について「ひどく疲れた上に精神的にも大変だった。目の前に突きつけられた一連のパラメーターを分析する前に、それらが異常な水準であっても、それよりさらに異常なレベルに見舞われた」と指摘。

世界金融危機は「これよりさらに切迫し、はるかに深刻だった。だが大きな違いは、一人の気まぐれが引き起こした状況ではなく、われわれ全員がその渦中にいたことだ」との見方を示した。

 

原題:Punch Drunk Traders Across Asia Ready for Another Week of Drama(抜粋)

--取材協力:Ruth Carson、Winnie Hsu、Abhishek Vishnoi、Prima Wirayani、Cormac Mullen.

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