(ブルームバーグ):来週の円相場は引き続き上昇圧力がかかる見込み。トランプ米大統領の関税政策による米中貿易戦争激化への懸念からリスク回避の円買いの流れが続きやすい。
市場関係者の見方
◎ニッセイ基礎研究所の上野剛志主席エコノミスト
- ドル・円は荒れた相場展開が続く。トランプ関税発のリスクオフ、米国資産売りが続くかどうかがポイントで、米中の関税合戦がエスカレートするとリスクオフの円買いが強まるだろう
- 前向きな動きが出てリスクオンが強まっても、米国は円安を問題視しており、どんどん円安が進むことは考えにくい。日米関税交渉では為替政策に対する米国の優先度合いや、円安是正圧力をどの程度高めてくるかが焦点になる
- パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演で利下げに前向きな姿勢を示すか注目。関税政策の影響を反映する前なので、3月の小売売上高など米経済統計は材料になりにくい
◎あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジスト
- ドル・円相場は引き続き米関税政策の経済などへの影響を注視し、ボラティリティー(変動率)の高い展開か。予想レンジは140円から147円程度
- 関税政策を巡るヘッドラインで株価が上昇すればドル・円は買い戻されるが、ベッセント米財務長官が円安是正や日本銀行の金融政策について発言しており、上値の重さは残るだろう
- 欧州中央銀行(ECB)は利下げ方向とみられ、政策発表でサプライズはないとみる
来週の主な予定
- 16日:1-3月(第1四半期)の中国国内総生産(GDP)
- 17日:日銀の中川順子審議委員が群馬県金融経済懇談会で講演、記者会見
- 17日:米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が講演
- 17日:ECBが政策金利を発表、ラガルド総裁が記者会見
- 18日:3月の全国消費者物価指数(CPI)
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