(ブルームバーグ):日本証券業協会が、インターネット取引での不正を防止するためのガイドラインの改訂を検討していることが11日、分かった。証券各社で顧客のIDなど口座情報が盗み取られ、不正な取引が行われる事案が相次いだことを受けた対応。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
関係者らによると、同協会の「インターネット取引における検討ワーキンググループ」が今月に入り議論を開始。多要素認証と呼ばれる本人確認に2つ以上の要素を用いるセキュリティー水準が高い認証方法を、より強く会員証券会社に促す必要があるかなどを検討するという。ガイドライン改訂は、2021年7月以来行われていない。
協会の広報担当者は、そのような動きがあることはおおむね事実だとコメントした。
フィッシング詐欺などによるとみられる不正取引急増の影響は拡大しつつある。野村証券は8日から、被害を最小限に抑えるため、一部の日本株銘柄のネット経由での買い注文を一時停止した。金融庁は実態把握に乗り出すとともに、証券各社に対し、新たな不正の手口への対応策を速やかに整備するよう促している。同協会としても早急な対応に迫られた形だ。
同ワーキンググループでは、証券会社が顧客に対し、どのような不正防止策の実行を呼び掛けるべきかについても検討する予定だという。不正取引が起きた場合、被害の拡大を防止するため、証券会社がどのように顧客に周知すべきかなども議論となる。できるだけ早期に結論を出すことを目指す。
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