2月に発表された内閣府「日本経済レポート(2024年度)」にて、20年間で勤労者世帯の「こづかい(使途不明金)」が7割減少との分析が一部で話題となった。
市場の不安定はあるものの、長期的には投資も有効な手段だ。新たな年度を迎えるにあたり、あらためて家計を見直してみてはいかがだろうか。

「こづかい(使途不明金)」が20年で7割減少~「被服及び履物」や「教養娯楽」の減少の影響大

今年2月に発表された内閣府「日本経済レポート(2024年度)」にて、20年間で勤労者世帯の「こづかい」が7割減少したとの分析結果が一部で話題となった。
確かに物価上昇によって家計の負担は増しているが、7割という大幅な減少幅を意外に思われる人も多いのではないだろうか。

本稿でも、あらためて2人以上世帯および2人以上勤労者世帯の消費支出の変化を確認すると、この20年間で、いずれもやや減少している。
内訳を見ると、「その他の消費支出」や「被服及び履物」の減少が特に目立つ。
「その他の消費支出」は「こづかい」や「交際費」、「仕送り金」などで構成されるが、中でも「こづかい」の減少が顕著である。
なお、総務省「家計調査」において「こづかい」は「使途不明金」が該当し、具体的な内容は明らかでないが、何らかの形で費やされた支出を指している。

具体的な数字としては、この20年間で「こづかい」は、2人以上世帯では年間21.0万円から7.0万円へ(▲14.0万円、▲66.5%)、2人以上勤労者世帯では29.5万円から8.1万円へ(▲21.4万円、▲72.5%)と、いずれも約7割減少している。

「家計調査」では「こづかい」の内訳を詳細に把握できないため、上記のレポートでは総務省「全国家計構造調査」を用いて、その構成要因と減少傾向について分析している。

分析によると、「こづかい」は「食費」(主に外食)や「交通・通信」、「教養娯楽」など個人単位で支払うことが多い費目が中心となっており、近年の減少には「被服及び履物」や「教養娯楽」の支出減が大きく影響している。