(ブルームバーグ):米ニューヨーク時間9日午前9時37分、トランプ大統領はソーシャルメディアへの投稿でこう発信した。「今は買いの好機だ」。
同日未明には、米国の主要な貿易相手国に対する高水準の相互関税が予定通り発動された。前日まで4営業日続落のS&P500種株価指数は、この日も軟調に始まった。
株安の原因は実質的にただ一つ、トランプ氏が世界各国・地域に仕掛ける貿易戦争だ。つまり、トランプ氏自身が、何らかの手を打てる立場にあった。
もっとも、トランプ氏と側近らはここ1週間、関税は不可避との考えを繰り返し表明。「私の政策は決して変わらない」ともトランプ氏は述べていた。
だが、政策が変わるとしたら、それは極めて大きな意味を持つ。
7日には関税一時停止との誤った臆測が流れただけで、市場は急反発。株式市場の時価総額は一時2兆ドル(約295兆円)近く増加した。
トランプ氏は今週、株安が進行する中でも、市場の動向は気にしていないと主張。強くなるためには「薬を飲む必要がある」とすら語っていた。
そうした中で今朝、トランプ氏の「買いの好機」発言が伝わった。
それから約3時間半後、7日に流れたうわさはこの日、現実のものとなった。トランプ大統領は中国を除き、多数の国・地域に対する高水準の相互関税適用を90日間停止すると発表。S&P500種は9.5%値上がりし、時価総額は4兆3000億ドル膨らんだ。
アプタス・キャピタル・アドバイザーズのポートフォリオマネジャー、デービッド・ワグナー氏は、朝のトランプ氏の投稿を目にした際、「最初は本物だとは思わなかった」と話す。
「トランプ氏がルールに従っているとは思えないが、これはルール違反ではないか」と指摘。「これは市場への関与に関するルールを変える」とし、「今後は当然ながら、誰もが手掛かりを求め、トランプ氏に注目することになる」と述べた。
ワグナー氏はまた、トランプ氏が1期目でも似たような言動を取っていたことに触れ、「われわれは忘れるべきではなかった。トランプ氏はそういうことをする人物だ」と指摘。「大統領が直接介入するという点で、市場のルールは変わった」と語った。
原題:Trump Said Today Was ‘Great Time to Buy,’ Then Unleashed a Rally(抜粋)
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