(ブルームバーグ):米国で年金口座からの緊急的な資金引き出しが増えている。年金サービス大手エンパワーによると、経済的困難を理由とする確定拠出型年金401kからの資金引き出しが過去平均を約15-20%上回っているという。
エンパワーのエド・マーフィー最高経営責任者(CEO)は7日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで、米国では「自動車ローンや住宅ローンの支払い延滞」が見られており、年金からの資金引き出しは「当然の結果」だと指摘。「われわれは注意深く見守っている」と述べた。
エンパワーは8万8000件の年金プランを管理しており、利用者は1900万人に上る。
米国の401k加入者は、資金引き出しによって医療費や住宅ローンの支払いなど急を要する多額の出費を賄うことができるが、こうした引き出しは課税の対象となり、59歳半未満の場合は10%のペナルティーが課される可能性がある。
今年発表されたバンガード・グループのリポートでも、経済的困難のために年金プランから資金を引き出す加入者の割合が過去最高の4.8%に上昇していることが明らかになっている。2023年は3.6%だった。
専門家によれば、資金引き出しの増加は、それを容易にする新たな規則や、従業員を401kプランに自動的に加入させる傾向から貯蓄者層が拡大したことによって説明できるという。
一方、自動車や食料品から家賃や日常的出費に至るまで、あらゆる消費者物価が上昇していることも背景にある。トランプ米大統領が発表した関税がリセッション(景気後退)や一段の物価上昇圧力を招けば、さらに多くの米国人が年金を取り崩す必要に迫られる可能性がある。

原題:Americans Are Tapping 401(k)s More Than Usual, Empower CEO Says(抜粋)
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