子どもの学力向上は多くの親が抱える悩みの一つ。
慶應義塾大学教授の中室牧子さんが、科学的根拠に基づいた効果的な学習方法を提案しています。この記事では、「目標を立てる」「習慣化する」「チームで取り組む」という3つの秘策を紹介します。

「 目標を立てる」具体的で達成可能な目標設定が鍵
多くの親が子どもに「勉強しなさい」と言い、まず考えるのが「強制系」ですが、それでは効果は限られます。中室教授は、カナダのマギル大学で行われた研究を例に挙げ、目標設定の重要性を強調しています。

「この研究では、大学生に2時間くらいかけて詳細な目標設定をさせました。その結果、たった1学期間で成績が大幅に向上しました」
具体的には、4点満点のGPAの平均点が0.66ポイントと大きく上昇しました。
効果的な目標設定には3つのポイントがあります。

1. 達成可能なインプットに対して目標を立てる
2. 自分で目標を立てる(他人に押し付けられない)
3. 自己管理の方法を学んだ上で目標を設定する
「この三つをセットにして、目標を立ててもらうことをやると、非常にシンプルで安上がりなんだけれども、高い成果が得られるという可能性があるのではないかなと思います」
また、小学生向けの研究では、夏休みの宿題を細かく区切ってやらせる方が成果が高くなることも分かっています。