(ブルームバーグ):米国債相場は2日、朝方の上昇から一転して下落(利回りは上昇)。トランプ米大統領が打ち出す関税措置に対応して欧州連合(EU)が緊急支援策を準備しているとのブルームバーグ報道を受け、欧州の国債利回りが上昇したことに連れた。
米国債利回りは米東部時間正午までに上昇に転じた。5年債利回りは朝方には一時3.87%と、昨年10月以来の低水準を付けていた。トランプ大統領が同日発表する新たな関税措置が景気に打撃を及ぼすとの見方が広がった。
米国株が持ち直したことも影響した。S&P500種株価指数は1%余り下げていたが、その後プラス圏を回復した。ただ、ブルームバーグのドル指数は下落したままだ。
マールボロ・インベストメント・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ジェームズ・エイシー氏は、債券市場と為替市場が「非常にバラバラで矛盾した動きをしているように見える」と指摘。関税措置の内容が明らかになるまで、こうした状況が続く公算が大きいと述べた。
この日朝方に発表された3月の米ADP民間雇用者数は市場予想を上回る伸びとなったが、米国債利回りは同日の最低水準を付けた。
トランプ大統領による関税措置発表を控え、市場の警戒感は高まっている。貿易相手国・地域の関税率と非関税障壁に応じて10%ないし20%の税率を一律に適用する措置など、いくつかの案が検討されているとブルームバーグは関係者の話を基に報じた。
みずほインターナショナルのストラテジスト、エブリン・ゴメスリヒティ氏は「関税率がどういった水準になるのか、また交渉に対してどの程度オープンなのかが鍵を握る」と指摘。「米政権が交渉にオープンな姿勢を示せば示すほど、20%の関税率は実際には適用されず、それより低くなる可能性があることを意味し得る」と述べた。
原題:Treasury Yields Rebound With Europe’s Before Tariff Unveiling(抜粋)
(米国債利回りが上昇に転じたため前半4段落に情報を追加し更新します)
--取材協力:James Hirai.
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