イーロン・マスク氏の宇宙開発企業スペースXは3月31日夜、地球の極地上空を飛行する初の有人宇宙船を打ち上げた。資金を提供し宇宙船に乗り込み指揮を執るのは、暗号資産(仮想通貨)投資家のチュン・ワン氏だ。

このミッションは、1800年代終盤から1900年代初頭にかけ活躍したノルウェーの極地探検船にちなんで「フラム2」と命名。4人の民間人を乗せ、フロリダ州から現地時間午後9時46分(日本時間4月1日午前10時46分)にロケット「ファルコン9」で打ち上げられた。

 

3-5日間かけ北極と南極の上空を飛行し、観測を行うほか、宇宙飛行が人間の健康に与える影響についての研究も実施する。

マスク氏がオーナーとなっているSNS、Xを通じた3月28日のライブ配信で、ワン氏は「子どものころ、世界地図の下にある空白の白いスペースをじっと眺め、そこには何が存在するのかと不思議に思っていた」と述べていた。

スペースXのバイスプレジデント、ジョン・エドワーズ氏によると、宇宙飛行士が極地上空の最も近くを飛行した例は、人類初の有人宇宙飛行を行ったユーリー・ガガーリンらのソ連時代初期の宇宙飛行ミッションだという。

中国生まれのワン氏は、マルタの市民権を取得したと2023年にSNSに投稿。13年にビットコインのマイニング(採掘)関連企業F2プールを共同で創業した。

原題:SpaceX Launches Polar Spaceflight Funded by Crypto Investor(抜粋)

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