米食品医薬品局(FDA)幹部のピーター・マークス氏の辞任を受け、投資銀行キャンターフィッツジェラルドのバイオテクノロジー企業担当アナリストがケネディ厚生長官のリーダーシップを痛烈に批判し、トランプ政権に同長官の役割を「見直す」よう求めた。

ケネディ氏は「自身の気まぐれと根拠のない信念に基づきこの国を危険な領域へと導いている」と、ジョシュ・シマー、エリック・シュミット両氏は主張。「ケネディ氏は自分が泳ぐレーンを大きく逸脱している。プールから出すべき時だ」と訴えた。

3月31日正午に顧客に送られたこのメッセージは、28日のマークス氏の更迭に対する反発の強さを示している。同氏の辞任を受け、バイオテクノロジー株とワクチン関連銘柄は急落した。

キャンターのアナリストリポートは注目に値する。トランプ政権のラトニック商務長官は就任するまで同行の最高経営責任者(CEO)だったためだ。

マークス氏は、FDAでワクチンなどの安全・有効性審査を担う生物製剤評価研究センター(CBER)の所長としてワクチンの審査および承認を監督していた。

マークス氏はその場で辞任するか解雇されるか選ぶよう求められたと同僚らに伝え、辞表にはケネディ氏との見解の相違が理由と明記した。

 

キャンターのリポートは「われわれはピーター・マークスとともに立ち上がる」と題され、同氏の辞任は「厚生省のリーダーシップと、特にワクチンに関して同省が社会に及ぼす危険性を明確に糾弾するものだ」としている。

2人のアナリストはトランプ政権が何らかの対応を取ることに期待を示し、「この政権は軌道修正し、妥協し、必要な場合には変化をもたらす能力を示してきた」と指摘。「新しい厚生長官が公衆衛生を損なっていること、それによって政権の評価を落としていることを認識すべきだ」と論じた。

原題:Cantor Analysts Blast RFK Jr., Warn of ‘Dangerous Territory’(抜粋)

--取材協力:Rachel Cohrs Zhang、Phil Kuntz.

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