米半導体メーカー、インテルのリップブー・タン新最高経営責任者(CEO)は、顧客のニーズにより的確に対応するため非中核事業をスピンオフ(分離・独立)させると表明した。カスタム半導体などの新製品開発にも取り組む意向を示した。

タン氏は3月31日、ラスベガスで開催された発表会「インテル・ビジョン」でのプレゼンテーションで、同社は失った技術分野の人材を取り戻し、財務を改善するとともに、潜在顧客のニーズに合うよう製造プロセスを変えなければならないと述べた。具体的にどの事業がもはや中核ではないと捉えているかは明らかにしなかった。同氏がCEOとして公の場に登場するのは初めて。

かつて半導体市場で独占的地位にあったインテルは現在、ほとんどの重要分野でライバル企業を追う立場になっている。経営陣が直面している大きな問題は、業績を回復するには事業全体を存続させるべきなのか、それとも主要な製品部門と製造部門を分割すべきなのかだ。

タン氏はどちらの部門の売却を目指すか示唆せず、両部門の業績改善のために解決すべき問題を強調した。特にデータセンターと人工知能(AI)向け半導体の性能は不十分だと指摘。 「当社は技術革新で後れを取った。顧客のニーズへの対応が遅過ぎた」と述べた。

タン氏(65)のCEO指名は当初楽観ムードを呼び、一部投資家がインテル株に戻った。しかし3月18日のCEO就任以来、同社株は他のテクノロジー株と共に下げている。タン氏のプレゼンテーション後の時間外取引で、インテルは一時約1.2%安を付けた。

同氏はまた、多くの大口顧客がカスタム部品を求めていると述べ、同社はそれに応えるつもりだと話した。

タン氏はインテルの問題には即効薬はないが、必要なだけ時間をかけて取り組むとあらためて強調。「一夜にして解決するものではないが、必ず解決できると信じている」と語った。

原題:Intel CEO Lip-Bu Tan Says Company Will Spin Off Non-Core Units(抜粋)

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