ニュージーランドが刷新したいわゆるゴールデンビザ(査証)プログラムに欧米から「非常に高い」関心が寄せられていると、スタンフォード移民相が明らかにした。

富裕層にとってより魅力的な移住プログラムにするため大きく見直された「アクティブ・インベスター・プラス(AIP)」は1日、首都ウェリントンで申請受け付けが始まった。

プログラムの主な変更点は、英語能力要件の廃止や投資家が国内で過ごす必要のある期間の短縮、最低投資額の引き下げ、投資カテゴリーの簡素化だ。

スタンフォード移民相が語る

スタンフォード氏は「最初の1カ月で多くの申請がなされると期待している」とブルームバーグ・ニュースとの電話インタビューで語った。「米国からの関心が非常に高い。また、ドイツやなど欧州からの関心も大きい」と説明した。

深刻なリセッション(景気後退)に昨年見舞われたニュージーランドは、経済成長を促し、新たなインフラ整備の資金源となる外国資本を求めている。同氏は「何よりも、実際に人々を駆り立てているのは地政学的な状況だ」と指摘。オーストラリアや英国などには類似のビザがないため、ニュージーランドは「非常に競争力がある」と主張した。

スタンフォード氏は、正式な申請データの入手は数カ月先になるが、海外移住のエージェントや弁護士、国際アドバイザーへの問い合わせが急増しているとの報告を受けていると話した。

「ゲームチェンジャー」

ニュージーランド最大の都市オークランドにある法律事務所クイーン・シティー・ローのマネジングディレクター、マーカス・ビバリッジ氏によると、中国からの問い合わせが大半を占めるものの、日本やインドネシア、米国からも「非常に大きな関心」が寄せられているという。

同氏は「英語の要件がなくなったことが大きい。これはゲームチェンジャーだ」と述べた。

申請を検討している人が引き続き懸念しているのは、外国人による住宅購入に関する規制だ。2018年以降、自由に不動産を購入できるのはニュージーランド国民と納税者、および貿易協定を結んでいる豪州とシンガポールの国民のみとなっている。

スタンフォード氏は、投資希望者には住宅購入が重要な問題だと認め、連立政権内の「リーダーレベル」で規制変更に関する話し合いが行われていると述べた。

原題:Golden Visa Reset Tempts Wealthy to Eye New Zealand as Haven (1)(抜粋)

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