(ブルームバーグ):国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は3月31日、トランプ米大統領が発動を予定している関税を巡る不確実性が世界の経済活動に打撃を与える恐れがあると述べた。
同氏はロイター通信とのインタビューで、「早く明確になればなるほど良い」とし、「不確実性は長ければ長いほど成長に悪影響を与えかねないことがわれわれの調査でも示されているからだ」と語った。
IMFは最近のデータに消費者と投資家の信頼感が弱まる兆しがあるとみており、「それが成長見通しに影響を及ぼすことは分かっている」とゲオルギエワ氏は指摘。これらは今のところ「劇的」ではないが、IMFが世界経済成長見通しを小幅下方修正するには十分かもしれないと述べた。IMFは1月、今年の世界経済成長率を3.3%と予測した。
IMFは4月後半に新たな世界経済見通しを発表する予定。先週には米国のリセッション(景気後退)を想定していないと明らかにしていた。
ゲオルギエワ氏は、新型コロナウイルス禍やロシアのウクライナ侵攻後に財政負担がかさむ中、多くの国にはさらなる衝撃を吸収する能力が不足していると警告。貿易障壁によるインフレ加速で金利が高止まりし、借り換えが必要な高債務国にとって逆風となる可能性がある。
原題:IMF Chief Says Tariff Uncertainty Risks Drag on Global Growth(抜粋)
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