東京海上日動あんしん生命保険は2025年度に長期金利(新発10年債利回り)が2%超まで上昇することを想定している。国債投資はALM(資産と負債の総合管理)の観点から機動的に判断していく方針だ。

経理財務部財務グループの田島正裕マネジャーは27日のインタビューで、25年度の10年債利回りは1.1-2.1%、新発30年債利回りは2.3-3.0%への上昇を予想した。日本銀行は25年度に2回利上げして政策金利を1%まで上げるとみており、長期金利は「2%に行っても全くおかしくない」と述べた。利上げは続いて1.5%まで政策金利が上がる可能性をみている。

日銀利上げ観測を受けて10年債利回りは1.59%と2008年10月以来の高水準を27日更新した。政策金利が現状の0.5%だった2007-08年に2%近くまで上がっており、2%が国内機関投資家の視野に入り始めている。1.8%前後で推移する中国との逆転も間近で、世界最低利回りだった日本国債の魅力が高まり、グローバルな投資資金の流れを変える可能性がある。

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ALM

トランプ米大統領の関税政策を巡る不透明感が日銀利上げ観測に加わり、金利変動が大きくなっている。田島氏は「いまくらいの動きだとALMに与える影響は極めて限定的だ」と話した。主な投資対象の30年債利回りについて「3%に上がったところで常日頃から準備しており、ものすごく困るわけではない」と語った。

日銀が31日夕に公表する国債買い入れ予定については「残存期間10年超25年以下を減らすのは時間の問題だろう」と述べ、4-6月から減額されてもサプライズではないとした。

東京海上グループのロゴ

東京海上日動あんしん生命は東京海上日動火災保険とともに東京海上ホールディングス傘下にある。昨年12月末の資産は8兆3324億円で、うち国債保有額は6兆4182億円と23年度末から6433億円削減した。

インタビューに同席した宮沢裕之セクションチーフは24年度の運用について、ALMを基本としつつ売却が主だったとして「金利上昇機運が強い中、早めに削減する判断をした」と説明した。25年度については、金利が上昇し始める1月前にある程度削減してポジションとしては時価ベースの感応度がそれほど高くないため、「是々非々で機動的に判断していく」と述べた。

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