(ブルームバーグ):21日の債券相場は上昇。日本銀行の植田和男総裁の国会答弁をきっかけに投資家の買い戻しが入ったとの見方が出ている。
植田総裁は衆院予算委員会で答弁し、長期金利が急激に上昇すれば機動的に国債買い入れを増額すると述べた。
東海東京証券の佐野一彦チーフストラテジストは「債券市場では売りポジションが相当積み上がっていたので、植田総裁の発言をきっかけに買い戻しが入った」と語る。ただ、植田総裁は現在の長期金利上昇が急激だとは言っておらず、価格形成は市場に任せるとしているため、「相場の反発は一時的で、弱い基調が当面続く」とみている。
この日は日銀の利上げに対する警戒感や、朝方発表された1月の全国消費者物価指数(CPI)で生鮮食品を除くコア指数が予想を上回ったことを受け、長期金利(新発10年債利回り)が一時1.455%と2009年11月以来の高水準を更新していた。

SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストはリポートで、日銀が3月18、19日に開く金融政策決定会合は政策変更の可能性がある「ライブ」になると予測。トランプ米政権は円安を是正するため、政策金利を大幅に引き上げることを求めてくるとみており、「対米関係を考慮すると、3月に追加利上げを見送ることはリスクかもしれない」という。
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