(ブルームバーグ):トランプ米大統領は16日、ベネズエラの麻薬組織カルテル・デ・ロス・ソレスを外国テロ組織に指定する方針を明らかにした一方、同国政府と協議する可能性にも言及した。トランプ政権は、マドゥロ大統領が同組織を率いていると主張している。
新たなテロ指定は24日に発効する予定で、米国がカリブ海に軍事資産を集結させる中、より積極的な行動の法的根拠を広げる狙いがある。
米軍はここ2カ月余りにわたってカリブ海や東太平洋で麻薬密輸船への攻撃を実施しており、これまでに約80人が死亡した。米南方軍によると、直近の攻撃は15日に行われ、3人が死亡したという。
トランプ氏は16日、フロリダ州からホワイトハウスへの帰路に記者団に対し、次の措置については決定していないとしつつも、ベネズエラ政府は米国との対話を望んでいると説明。「マドゥロ氏と何らかの協議を行うかもしれない。どうなるか見てみよう」と語った。
今回の動きには、カルテル・デ・ロス・ソレス構成員の米国入国を禁止し、同組織の資金を米政府が押収できるようにするほか、組織への支援を犯罪行為とする措置も含まれている。
ルビオ米国務長官は16日の声明で、「ベネズエラに本拠を置くカルテル・デ・ロス・ソレスを主導しているのは、マドゥロ氏や同政権の高官だ。彼らはベネズエラの軍、情報機関、立法府、司法を腐敗させた」と指摘。さらに、「マドゥロ氏もその取り巻きも、ベネズエラの正統な政府の代表ではない」と断じた。
米国は今年2月、ベネズエラの別の犯罪組織トレン・デ・アラグア(TDA)を外国テロ組織に指定し、同組織が米軍によって撃沈された船舶の少なくとも1隻と関係があると主張。ただ、カルテル・デ・ロス・ソレスの指定はこれまで見送っていた。
今回の指定により、同組織はアルカイダやイスラム国(IS)と同等の扱いとなり、金融面だけでなく、軍事面でも米国の対テロ戦争の対象となる。
原題:Trump Floats Venezuela Talks as US Labels Maduro a Terrorist(抜粋)
--取材協力:Catherine Lucey.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.