(ブルームバーグ):英政府は、難民申請者が経済支援を得る権利を制限し、永住権の取得をより難しくする方針だ。移民を巡り懸念が強まる中、政府は有権者離れの阻止を狙う。
マフムード内相が17日に発表する新たな方針によると、難民は今後、住宅提供や公的支援を受ける法的権利を失う。また在留資格が30カ月ごとに見直される。許可証を持たずに入国した人は、永住権申請が可能になるまでの期間が20年と、現行の5年から延長される。
これは与党・労働党政権が移民問題について政治的主導権を取り戻す新たな取り組みだ。世論調査では、移民問題が、ナイジェル・ファラージ党首率いる右派ポピュリスト政党、リフォームUKに有権者を向かわせる主な要因となっている。今年は既に約4万人が小型ボートで入国しており、2022年以来最多となる見通し。国境を管理するというスターマー首相の公約を揺るがす事態となっている。
マフムード氏は16日、スカイニューズの番組で、「不法移民問題に対処し、この問題が国を分断させないことを目指している」とした上で、「難民制度に対する国民の理解を引き続き得るには、行動を起こす必要がある」と語った。

原題:UK Overhauls Asylum System as Starmer Seeks to Win Back Voters(抜粋)
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