純金融資産を1億円以上保有するのは国内約165万世帯で、調査を始めた2005年以降最多だったと野村総合研究所が発表した。株式や投資信託などの資産価値の大幅な増加が背景にある。

野村総研がこのほど公表した調査結果によると、23年に世帯として保有する金融資産の合計額から負債を差し引いた金額が1億円以上5億円未満の「富裕層」は約154万世帯、5億円以上の「超富裕層」は約12万世帯だった。これらの世帯の純金融資産総額は前回調査の21年と比べ約29%増の469兆円に拡大。相続で富裕層となるケースも増えている。

株式相場の上昇で資産が急増したために「いつの間にか富裕層」となる人が、富裕層以上の世帯の1-2割程度を占めると野村総研は推察。40代後半から50代の一般の会社員で、確定拠出年金や少額投資非課税制度(NISA)などで運用資産が1億円を超えたケースが多く見られるという。

いつの間にか富裕層となった人たちは、貯金に近い形で20年以上にわたってこつこつと積み立ててきた人たちだと、調査を担当した野村総研の野口幸司プリンシパルは指摘する。当時と比べ株価が2倍近くなる中で、「今になってやっと効果を享受した」という。

「いつの間にか富裕層」は従来の富裕層と比べて、金融知識が十分でなく、資産運用を金融機関の担当者や親族・知人の勧めに任せている人も一定数存在するという。生活スタイルや支出も控えめで非常に見えにくいという特徴がある。

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